季節

京都の神社やお寺は、訪れる季節によって雰囲気が変わります。気温や天候が変わりますし、境内の庭の植木が変化していくからです。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は木枯らし、というように。知っていると思い込んでいる神社でも、これが同じ場所なんかなあ?と思うほど変化します。私たちが着ていく服装も夏は半袖、冬はセーターと季節で変わりますし、本当に楽しい経験になります。このような四季があって幸せだと思わずにはおられません。こんなこと、普段は思わないのにそう思えるのは、いつ神社やお寺に行っても庭がきれいだからでしょう。

京都の庭園はとても繊細に管理されています。庭仕事をしている植木屋さんに会うことも度々あります。ある日は落ち葉をブロアで吹き飛ばし、ある日は高い松の枝で枯れた細い松の葉を抜き、ある日は苔に生えてしまった雑草を引っ張って取り除く、といったように。私はある種の尊敬の念を持って植木屋さんの職人的な仕事ぶりを眺めています。脚立の上でバランスを取って立つ姿はなかなか魅力的です。

京都の庭園が綺麗に管理されているのには訳があります。天龍寺庭園や苔寺庭園を造った夢窓疎石は、心を清らかに磨く目的で作庭したそうです。夢窓疎石は、毎日、庭を掃除をすることを勧めています。掃除をして塵一つ落ちていない庭園を維持管理することが心を清め、心を磨くことにつながります。こうして現代でも庭は誰かのおかげで美しさを保っています。そんなことを思うと、季節ごとに変化する庭を鑑賞させていただけるのはそれだけでも幸運なことではないでしょうか。

神社やお寺の門前にあるお店も、季節によって違う店に入りたいものです。春は和菓子、夏はみたらし団子、秋はコーヒーショップ、冬は湯豆腐というように。京都の良さを散歩しながら発見しましょう。