東福寺

東福寺は東山の南部にある広い敷地のお寺です。火災にも度々あいましたが、足利、豊臣、徳川家によって保護修理され、中世以来の伽藍が多く残っています。創建は鎌倉時代。奈良の東大寺と興福寺から二字をとり、九條家の菩提寺として造営しました。1236年から19年かけて都最大の伽藍を完成させました。山号は恵日山です。

JRもしくは京阪の東福寺駅から歩いて来る(10分)と、まず臥雲橋を渡ることになります。この臥雲橋は、東福寺の境内にある小さな渓谷を流れる川に架かっていてます。渓谷にはカエデがたくさん植えられていてます。臥雲橋からの通天橋の眺めがとても良いです。カエデの木の上から見下ろすことになります。臥雲橋は自転車でも通行できる一般道です。ここでは、まだ拝観料を払ってません。このような道は京都でなくては味わえないのではないかと思います。

東福寺は修行の邪魔になるということで桜の木はないので、春に桜を見に来る人はいないです。カエデの木がたくさん植えられていて、秋はこのカエデの紅葉を見るために多くの人が集まってきます。

大きな本堂(仏殿)と三門が並んでいます。この伽藍が立派なので東福寺の伽藍面(がらんずら)といわれています。本堂は明治時代に消失し、昭和9年に再建されています。三門は応永12年(1405)の建立で、現存する禅寺の三門の中でもっとも古く、国宝になっています。

三門は通常は非公開ですが、特別拝観のときに登れることがあります。天井に飛天などの絵が極彩色で描かれ、十六羅漢像などがずらりと並んでいます。

書院の入口で参拝料を支払い、方丈へ向かいます。方丈の東西南北には、重森三玲の作った庭が広がっています。方丈の北の庭は、カエデの林につながっていて、野鳥もたくさんいます。南側は広い枯山水庭園です。なだらかな苔でできた島が海に浮かぶ多島海を思わせます。この苔地でできた築山のテーマは、正確には五山だそうです。釈迦の旧跡、天竺五山もしくは禅宗の中国五山、はたまた京都五山などのことです。普段の生活ではめったに味わえない趣のある空間です。

西の庭にはサツキが植えられています。市松模様です。奥に通天橋が見えます。

北の庭は杉苔と敷石の市松模様をしています。奥の方は敷石がまばらになっていき、カエデの林に溶け込んでゆく感じです。方丈の建物は四角で、人工的。一方のカエデの林は自然なので、敷石がまばらになっていくというのが人と自然の境界という工夫なのではないかと思います。新しい感性でこしらえた庭だと思います。

方丈の北東角からカエデの林を間近に見ることができます。小鳥がたくさん訪れてさえずっていました。よくあることですが、古い寺院の周りには木々などの自然環境も保全されていることが多く、野生動物にとっても居心地のいいすみかになります。

広い方丈では、木の床に座って静かに庭を眺めていることができます。いつもの毎日から解き放たれて、ゆっくりしましょう。

洗玉澗という渓谷を歩いて開山堂や通天橋へと行くには、方丈とは別の入口があります。

秋には洗玉澗を、紅葉したカエデが埋め尽くします。この紅葉を観るために、多くの人が訪れます。紅葉狩りのシーズンは朝から行ったとしても、混雑は避けられないでしょう。青もみじも素晴らしいので、少しだけピークをずらしてみるのもおすすめです。

基本情報