圓光寺

徳川家康が学問をするための寺として圓光寺を作りました。かつては日本で唯一の尼寺専門道場でした。私が訪れた時には、山門に大きな菊の花がたくさんあり、「研修道場」と書かれた看板が掛かっていました。このお寺は家康が朝鮮から輸入した朝鮮文書や、日本の印刷の歴史上重要な木製活字などを所蔵しています。山号は瑞巌山です。

山門をくぐって行くと、大きな龍に見立てた石を配した枯山水庭園があります。圓光寺の枯山水は、大きな灰色の石を配して、とぐろを巻いた龍が池の中から出て来る感じを表現しています。この龍の枯山水は東福寺の塔頭寺院、龍吟庵にも見られるダイナミックな構成です。

方丈の手前に、大きな水鉢があります。これは水琴窟です。耳をすませば、鍾乳洞の中の水滴の落ちる音のような響く音が聞こえてきます。 壺を土の中に埋めて音が出る仕組みです。

カエデがたくさん植えられている庭は『十牛之庭』といいます。中国の故事『十牛図』がテーマになっていて、「臥牛石」があります。牛に見立てた岩の背中にも紅葉がたくさん積もっていました。広々とした庭に、この臥牛石が中央にあり、他に目立つ石はありません。方丈には広い縁側があり、紅葉の時期には多くの人がこの縁側に腰掛けて庭を見つめています。靴を脱いで方丈に上がると、畳を敷いた部屋からもこの庭を眺めることができます。

『十牛図』は、悟りに向かう人を10の絵と詩で表現した、宋の時代の禅の物語です。この物語の中で、人はまず自分自身を知るために牛を探しに出かけます。牛は心を表しています。元々自分の心は自分の中にあるのに、とらえどころがない。その牛を見つけて家に連れて帰るのですが、これは自分にしかわからない自分の心を捕まえるということ。そのあと、人は牛にとらわれなくなり、町の中で人々を救いながら生活するというものです。

臥牛石は探し求めている自分の心を表しているのでしょうか。秋にはこの庭を見ようと、観光客がたくさん訪れるようになりました。

庭には、ひょうたん型の栖龍池があり、石橋がかかっていました。この池は洛北で最古だそうです。庭を歩いていると、奥山に来たかのようです。

このお寺には、円山応挙の竹林図屏風など重要文化財もあります。

書院の前には立派なサルスベリの木がありました。こんなに太い幹のサルスベリにはめったに出会えないです。

水琴窟の近くの足元の石にうたた寝をしているようなおじさんの姿が彫られていました。地面から響いてくる音に耳を澄ませているのでしょうか...。

敷き紅葉がいいという評判のお寺でした。坐禅の体験もできます。 庭にいる小さなお地蔵さまも人気です。

詩仙堂までは徒歩5分、曼殊院門跡には徒歩20分です。

基本情報

よみがな えんこうじ

アクセス  京都市営バス5号系統「一乗寺下り松町」下車 徒歩8分

拝観料  大人 500円  高・中 400円 小 300円

拝観時間  9:00〜17:00

休日 なし

住所 京都市左京区一乗寺小谷町13

電話 075-781-8025